地図からはじめるマーケティングセミナーに参加してきました

地図からはじめるマーケティングセミナーという事で地図から始めるマーケティングの説明から始まりました。

マーケティングとエリアマーケティングの違い。
そしてGIS(地理情報システム)を利用したエリアマーケティングが今回の内容です。
セミナーの内容や私の感想などを載せてみました。

地理情報システム(GIS)

地理情報システムとは

地理情報システム(ちりじょうほうシステム、英語:geographic information system(s)、略称:GIS)は、コンピュータ上に地図情報やさまざまな付加情報を持たせ、作成・保存・利用・管理し、地理情報を参照できるように表示・検索機能をもったシステム。人工衛星、現地踏査などから得られたデータを、空間、時間の面から分析・編集することができ、科学的調査、土地、施設や道路などの地理情報の管理、都市計画などに利用される。
コンピュータの発展にともなって膨大なデータの扱いが容易になり、リアルタイムでデータを編集(リアルタイム・マッピング)したり、シミュレーションを行ったり、時系列のデータを表現するなど、従来の紙面上の地図では実現不可能であった高度な利用が可能になってきている。

wikiベディアより引用

判りやすく説明するとセミナーでの例ではOHPシートを例に出していました。
透明のシートを重ねて色々な情報を1枚のシート上に表現する方法ですね。

実際にセミナーでいかにGISシステムを利用すると判りやすいのかを牛肉と豚肉の消費で説明してくれていました。
最初にExcelで都道府県ごとにまとめた消費データの数字だけを消費量の多い順に見せていただきましたが今一つピンときません。
そのデータを日本地図の上に被せるのですが、牛肉の消費が多いほど色の濃い赤で。
そして豚肉の消費をやはり消費の多いものを濃く緑で。
そうすると日本での牛肉と豚肉の消費の割合が視覚的にすぐ判りました。
しかも、西と東で分かれるという傾向も。
データを全部見て集計してどんな傾向なのか・・・そんな事しなくても一目瞭然の結果です。

それだけでGISの凄さが判りましたが、それは全国の都道府県レベルです。
それを地域のもっと狭い地域に絞るとどうでしょうか?

地理情報システム(GIS)の現状

GIS素晴らしいですよね。
GISを利用して色々な事をやってみたいと思う企業様も多いと思います。
しかし、自社でGISを導入するとどうなるのか。

必要なものとして
・GISソフトウェア
・地図
・統計データ
・PC
・人材
・操作習得時間

そして気になる料金ですが・・・
100万円~1000万円以上します。
値段の幅はそのまま精度やデータの質に繋がります。

そしてそれだけではなく、ずっと利用するにはGISソフト、地図データ、統計データ、OSなどの更新が発生するのでそのたびにまた費用が発生します。

中小企業様などでは、厳しい所もあるのではないでしょうか。

地理情報システム(GIS)利用の救世主エリマケ

GISを導入するほど費用を掛けずにどうしてもGISを使いたい。
そのような時に必要な分だけの商圏エリアデータが格安で手に入れることが出来ます。
それが「エリマケ」と言うものでした。

住所と商圏エリアの指定(円商圏や到達圏の距離や時間)をする程度でその指定した商圏内の商圏レポートが出来るというものです。
実際にセミナーでも2つの地区のエリマケで出力された資料がありました。
1レポートが15ページほどの地図やグラフが色分けされている判りやすい資料です。

実際にその資料に載っているデータの見方(ポイント)を説明していただきました。
商圏エリアは都内とかは円商圏が向いていて、地方や郊外だと到達圏の方が向いているなど、
その地域の土地や密集性や交通事情によって商圏エリアを選ぶのが良いとの事でした。

エリマケの商圏エリア

ちなみにエリマケの商圏エリアは1次と2次の2つまで指定出来て、円商圏では10kmまで到達圏は徒歩、自転車、自動車で30分までという事でした。
商圏指定は同じレポートで円商圏と到達圏を一緒に指定できません。
円商圏か到達圏のどちらか。
そして距離なのか時間なのか。
到達圏の場合は徒歩、自転車、車のどれかを設定します。

ワーキング

クライアントからの相談という事でお題が出されました。

お題

「東京都内で女性でも気軽に利用できる「丼ぶりカフェ」で成功を収めている。
最近は夜になると「おひとり様」で利用されるサラリーマンも増えている。
今後は事業拡張のために田園調布線で都心から少し離れた郊外での出店を考えています。
現在不動産屋さんより駅前の物件を2つ持ち掛けられています。
どちらの物件が良いでしょうか?」

このお題をセミナーに参加した人それぞれが考え、講師の方がクライアントになるので
お勧めの物件を説明する形式のワーキングです。

エリマケで出力されたレポートが2つあり、それが今回の駅前物件の商圏レポートという事でした。
実在している神奈川県の地区ですが仮にA地区物件とB地区物件とします。

私の考察

クライアントの情報をもうちょっと欲しいところですが、お題に書いてあるところからの推測で
・女性
・外食
・独身
・夜
・サラリーマン
というキーワードに着目することにしました。

商圏内の人口分布はA地区に比べて、B地区の方が密集している感じでした。
しかし、商圏内の総人口数は1km圏内はほぼ同じです。2km圏内までだと1万人くらいB地区の方が多いようです。
色分けされた分布はA地区は人口が少ない地域も多く、B地区はまんべんなくという感じです。

そして昼間人口と夜間人口の差を見るとA地区はほぼ同じ、B地区は夜間が多いです。
という事は、B地区は昼間は都心に通う人が多いベットタウン。
密集している割合からA地区はまんべんなく住宅が多い地区、B地区はマンションが多いというイメージでした。
ここで現地に行くか、googleマップで確認すればそれが当たっているのか判るでしょう。

住民の人口ピラミッドでは、1km商圏内、2km商圏内それぞれの男女の年齢の実数と構成率がグラフで判ります。
比較として、県と地方(今回は神奈川県と関東地方)もグラフで出ています。
そうするとA地区は県と比べて、5歳~19歳、50歳以上が少ない、20歳~49歳が多いと判ります。
B地区は54歳までは県よりも多く、それ以上の年齢は県より少ないとなっていました。

続いて世帯特性の世帯人員別、所有形態別、建て方別、階数別をみると
A地区は商圏内では1人が1km圏内55.1%、2km圏内が47.2%、民営借家が55.3%、47.8%で共同住宅が83.1%、階数は3~10階建てで70%近いです。
これによってマンション、アパート住まいの独身が多く、世代は20歳~49歳が多いと判りました。

B地区は商圏内では1人が1km圏内39.0%、2km圏内が35.0%、持ち家が48.7%、51.3%、民営借家が42.5%、38.5%、共同住宅が83.5%、階数は3~10階が80%を超えています。
これによってマンション購入している家族が多く、世代は50歳以下の家族構成で小さいお子さんも多いと判りました。
最初の人口分布だけの想像とはちょっと違う事も判りました。

キーワードになっている女性を見てみると
A地区、B地区共に20歳~49歳が県よりも多いです。
しかし、突出しているのはA地区の方です。
そしてさきほどの住民特性から考えると同じ世帯の女性が多くても、A地区は独身、B地区は既婚者の確率が高いです。

消費特性で1世帯当たりの金額と傾向が判ります。そこに外食という項目があるので確認してみました。
A地区は食料消費額はダントツで外食が多いです。食料全体として27%ほどです。
B地区の食料消費額も外食が多かったですが25%とA地区と比べると少し低いです。
消費額でみると自宅で作るより外食の方が高いので、ある程度外食すると1番お金が掛かるという事でしょう。

しかし、今までの家族構成を考えるとA地区は独身が多い、B地区は家族が多い。
外食すると掛かる費用は家族の方が掛かります。
しかし、家族が多いB地区よりもA地区の方が外食費があることから、独身が多く外食もそこそこしているのではないでしょうか。

私の考察結果

結論から言うとA地区となりました。

ベットタウンであり、独身率が高く、外食も多い。
仕事から帰ってきて、家の近くに東京都内で流行っている「丼ぶりカフェ」があれば都内で食べて来る必要もなく、
落ち着いて寄れるのではないでしょうか。
ここで食べてあとは帰ってゆっくりできる。
気軽に行けるところに話題性のあるお店があると嬉しいですよね。

セミナーを終えて

GISでの分析の面白さ。
データから地域の特性を想定して、色々と見えてくることが判りました。
地図とデータを重ねることでこんなにも違うのかと。
後は実際に住んでいるところだったり、土地勘があるところだったら、
GISデータで実際に分析するとより色々と見えてきそうです。
そしてそこで何を出店すればいいのか、どこに出店すればいいのか。

ワーキングに使ったエリマケは必要な部分を格安でレポートとして提供する。
切り売りのような形になるので、GISの費用負担もなく、私個人でも手に入れられる費用です。
これならGIS導入を出来なかった企業様、GISを導入するまでは使いこなさい企業様にはとても親切なサービスだと感じました。

地域に密着する経営を考えるのであれば、GISがあるのとないのとでは考え方も視野も大分違ってくるのではないでしょうか。

セミナーで使用したエリマケのご相談、お申込みは弊社で承っております。

お気軽にご相談ください。

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